Q&A

相続税について

平成2711日以後の相続について基礎控除額や税率等が変更されました。

次の額以下であれば税金はかかりません。

基礎控除額・・・3,000万円+600万円×法定相続人の数

              例:法定相続人が妻と子供2人の場合の基礎控除額

3,000万+600×3人=4,800万円

*正味の遺産額が基礎控除以下の場合には、相続税はかかりません。

*生命保険金や死亡退職金の非課税限度額はそれぞれ500万円×法定相続人の数となります。

土地は路線価(または固定資産評価に所定の倍率を掛けたもの)、建物は固定資産評価額となります。自己の居宅用の土地であれば300㎡までは小規模宅地の特例が適用され80%が控除された額が課税対象額となります。

土地・建物や預貯金、株式等の財産から借入金等の債務を引いたものが相続税の課税対象額になります。(生命保険金や死亡退職金はそれぞれ非課税限度額を超えた分が加算)

相続税の課税対象となる方は全体では8%、東京都内で見ると12%程度と言われています。逆に9割程度の方は相続税の納税対象ではないわけです。

 

モデルケースとして、東京都都下で、正面路線価30万円/㎡ 土地100㎡であれば

土地の課税対象額は 100㎡×30万円/㎡×(100%-80%)=600万円

建物は木造築20年前後で80㎡とすると細かい計算は省きますが100万円~200万円程度となると思います。200万円としても土地建物合計で800万円です。

 

法定相続人が配偶者(夫または妻)と子供二人の場合は基礎控除4800万円ですから、あと預貯金・株式で4000万円以下であれば相続税の対象にはならないわけです。

 

※税金の詳細・申告については税理士にご相談下さい。

相続税、相続放棄、兄弟の相続、孫への財産承継、土地。不動産の承継

相続手続きとは?

相続が発生すると、相続人の調査が必要になります。

これは、誰が相続人(亡くなった方の財産を承継する方)になるのか戸籍謄本などの公的な書類で証明することです。

亡くなった方の名義になっている土地・建物や預貯金等を相続人の名義に変更する場合、法務局や金融機関等は相続人調査をしておかないと手続きを受け付けません。

相続人調査とは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本類(戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍)をすべて集めて誰が相続人になるか調べることです。相続人になる人の戸籍謄本も必要になります。

お子様や親御様がいらっしゃらず、兄弟姉妹が相続人になる場合は、父母の出生から死亡までのすべての戸籍謄本類まで集める必要があります。

すでにご兄弟が他界されていて、甥姪が相続人になる場合には、亡くなったご兄弟の出生から死亡までのすべての戸籍謄本類を集めなければなりません。

なお、この手続きの際、前妻の子がいることや、認知した子がいることが明らかになってしまいます。前妻の子、認知した子にも相続する権利があり、遺産分割協議の際に合意を得る必要が出て来ます。

戸籍謄本類の収集は、相続人の方がご自身で行うこともできますが、戸籍謄本は本籍地の役場でしか取得することができず、また、再婚をして子どもが多い場合などは相続関係が複雑になることがあります。

このような場合、戸籍謄本類を集めるためにはかなりの時間と労力が必要になります。

 

当事務所では、相続関係図遺産分割協議書の作成まで、責任を持ってお手伝いします。

難しい相続手続きはプロにご相談ください。

相続放棄とは?

相続人(亡くなった方の財産を承継する方のこと)となった場合にその相続人の立場を放棄すること。すなわち亡くなった方の財産や債務(借金)を承継しないものとする手続きのことです。プラスの財産よりもマイナスの財産が多い時や相続争いに巻き込まれたくないとき、兄弟のなかで特定の方に財産を集中させたいときなどに行われます。原則として相続があったことを知ってから3カ月以内に手続きをしなければなりません。

 

相続放棄をした場合、その反射効果としてそれまで相続人でなかった方が相続人になってしまう場合があり注意が必要です。(例:相続人が配偶者と子1名であった場合、子が相続放棄すると、亡くなった方の親または兄弟が相続人になります。)

遺言書、任意後見契約で承継対策も行い、安心です。

遺留分とは?

 遺言によって法定相続分を侵害された法定相続人(配偶者=夫・妻、直系卑属=子・孫、直系尊属=父母・祖父母 に限られます。)が、 一定の割合で遺言を否定して法定相続分の一部を取り戻すことができる権利のことです。ただし、自動的に認められるものではなく、実際に遺留分を請求することが必要になり、請求期限もあるため注意が必要です。

 遺留分を請求することを「遺留分減殺請求」といい、相続開および自分の遺留分が侵害されていることを知った日から1年、あるいはそれを知らなくても相続開始の日から10年を過ぎると、時効で消滅します。実務上は内容証明郵便にて遺言で遺産を承継した相続人に対し行うことになります。

 多いのは子供のうちの一人に財産を集中させる遺言を残したときに、他の子供から請求されるケースです。

 なお、亡くなった方に子供がいない場合、父母・祖父母が既に他界している場合、兄弟にも相続する権利が出て来ます。しかし兄弟には遺留分はありませんので、遺言書で配偶者や子供に全ての財産を相続させることにしておけば兄弟へ相続財産を分ける必要はなくなります。

兄弟とのトラブルも回避。財産を守ります。

承継対策・生前対策

相続対策といえば皆さんは税金対策(相続税対策)を思い浮かべることでしょう。もちろん税金対策は重要です。しかし大切な不動産や自らが心血を注いで大きくした会社の株式の承継対策が疎かになって“争族”を招いてしまっては例え何百万円の節税が出来たとしても残された親族に不幸の種をまいてしまうことになります。

上手な相続対策は次の優先順位で行うのです。

 第一  承継対策(いかに共有状態にせずに財産を意中の相続人に相続させるか)

 第二  納税資金対策(現物納付とならないよう以下に納税用の現金を確保するか)

 第三  節税対策

相続税の対象でなければ、納税資金対策や節税対策は必要ではありません。しかし、承継対策、すなわち、「誰に、どの財産を引き継がせるのか」は財産、特にお金(預金)以外の財産(不動産や自営している会社の株式)がある場合は必要と考えた方が良いでしょう。

不動産が自宅のみで子が二人いる場合、成人したあとも子が兄弟仲良く一つ屋根とは行かないことはお解りいただけるでしょう。どちらに引き継がせるのか、不動産を相続させない子には何を残すのか、相続を「争族」とさせないために承継対策が必要なのです。

 さらに家族信託(民事信託)を活用すると、自分の次の代の子だけでなく、その先の孫の代まで財産承継者の指定が出来るようになります。

 

遺産分割協議書とは?

遺産分割協議とは、亡くなった方の財産をどのように分けるか、相続人全員で決めることです。遺産分割協議書は不動産、金融機関の預金、株式等の名義変更に必要となります。

遺言書で承継対策を行い、ほっとしました。